客観主義

雁夜陵辱エロゲ妄想@拉致陵辱ルート





 間桐雁夜を手に入れるのは、恐ろしく簡単だった。
 持ち上げた体をそのまま肩に担ごうとしてやめたのは、それが異様に軽かったせいだろうか。両腕で丁寧に抱き上げ、体に凭れさせるように支えると、甘えるように擦り寄ってくる。それからは、饐えたゴミ捨て場の匂いに混ざって、芳醇に醗酵した葡萄酒のような香りが混ざっていた。





 頭から足の先まで、綺麗に洗い流した後に裸のままベッドに寝かせ、薄く開いた掌に向かって、黒鍵を思いっきり刺し込んだ。

「いっ……あ、ぐ……」

 一気に覚醒した雁夜が痛みに唸り、片目しか自由にならない視線を綺礼に向ける。懇願するでもなく、怯えるでもなく、ただ敵を睨み付けるその強い視線に綺礼は無表情のまま困惑した。
 この女を殺すのは赤子の手を捻るよりも簡単だ。
 早く殺して師の敵を一人でも減らすほうが建設的だろう。
 否、放っておいてもこの女は遠からず死ぬ。

「……何故」
「はぁ? ッ、れは、こっち、の、台詞、だっ……」

 そもそも何故、この女を連れ帰ったのか。
 どうして、世間一般の常識に照らし合わせても、相貌の宜しくない女をずっと見ていたいと思うのか。

「くっそ……はず、せっ……」

 もがけばもがくほど黒鍵は手に深く刺さり、痛みを増幅させる。それなのに雁夜は自らが生きることを諦めようとはせず、それどころか悪態をつき、目の前にいる男から逃げるつもりでいるのだ。
なんとも平凡すぎる女が抱く大きすぎる望みだろうか。

「……ふ……ふふ……」
「何がおかしいッ! いったい何が目的なんだよ!」
「そう、だな……」

 まるで子供のように、雁夜を甚振るのを愉しがっている。
黒鍵を突き刺すとき、採集した虫をピンで刺すような感触を覚えたのが、まさにその愉悦に違いない。抵抗を繰り返す虫を押さえ込み、自らのコレクションの一部とする支配する喜び。命をこの手に握った感触が、果てしなく長く続けばいいと思ってしまう。
 間桐雁夜を殺すことなく、この手で苦しめ続けることができれば、それはどれだけの快感を綺礼に齎すだろうか。

 ガリガリに痩せた身体のたった一部、脂肪を蓄えた胸元を握ると、雁夜の肩が目に見えて震えた。

「男に触れられたのは初めてか?」
「……こ、んな顔体で、男が寄ってくるかよ……」
「私の好みには合致する」
「……変態……」

 綺礼はもはや考えることを放棄し、目の前の死に掛けの虫に、本能で手を伸ばした。
 唯一自由な右足で抵抗を繰り返すものの、綺礼の指が秘部に触れた瞬間、雁夜の抵抗が初めて怯えに変わった。そこはしっとりと濡れそぼり、間桐の胎盤として蟲に愛でられ熟しきった女の様相を見せている。

「ひっ……」
「簡単に入ったぞ」
「ッ、や、いや、いやだっ……ん、ぁ……」
「嫌だという割には……ああ、感じすぎて怖いか?」

 男の揶揄する言葉が当たっていたのか、血の気のない雁夜の頬にわずかながら紅色がともる。膣内に入り込んだ指をきゅうきゅう締め上げる雁夜の無意識な反応に、綺礼の期待も高まり、身体も昂ぶっていった。

 間桐雁夜を犯すことで、彼女の絶望をこの身に感じ、それが心にぽっかりと空いた闇を忘れる一時となるだろうか。

 理不尽すぎる期待を胸に、存分に昂ぶった雄を雁夜の秘所に宛がうと、体液と体液でぬるりと滑る。
 声もなく喉を仰け反らせた雁夜の唇の端からは、飲み下し忘れた唾液に混ざって血が滴り、掌から溢れた血がシーツに作った染みと混ざった。

「頼みがある」
「な、っ……」

 この期に及んで何を言い出すかと思えば、綺礼は無表情のまま真面目な目つきで雁夜を見下ろした。さっきまで死んだような目をしていたはずなのに、今は喜悦に塗れた瞳をして、哀れな女を見据えているのだ。

「手加減ができそうもない。死なないでくれないか」

 ザァッと音がしそうなほどに雁夜の全身から血の気が引いていく。服の上からでもわかる鍛え上げられた身体に、力強い手、恐ろしいほどに猛ってそそり立つ太い雄が、体内に入って、入るだけで無事なはずがない。

 死にたくはないが、死ぬだろう、と頭が答えをはじき出した瞬間、雁夜の脳内は激痛と、そして不幸なまでに快感を感じていた。





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