もう独りで眠れない

百目鬼×四月一日女体化


かさりと衣擦れの音がして、静かに扉が開いた。部屋の中には男が一人、目を瞑って横たわっている。眠ったままの男は起きる様子もなく、侵入者は僅かに微笑んだ。
ゆるりと布団を剥ぎ、寝間着に包まれた胸元に耳を押しやる。穏やかな鼓動が四月一日を安心させ、目を明けない男に段々大胆になっていった。
薄っぺらい着物をはだけ、下着をずらすと、威圧感たっぷりの雄の証が鎮座している。戸惑うことなく指に絡め、先端を持ち上げると、遠慮なく口に含んだ。滑る舌、温かな口腔、やわやわと絡まる手指に、男はようやく目を開いた。
「……夜這いか」
「そこで納得するなよ」
舌で茎腹を舐めあげながら、四月一日は憮然と呟く。最初から目は覚めていたくせに、彼女がしたいようにさせているのだ。
「納得というか、その気になったのなら仕方ないだろう。続けないのか?」
「言われなくても、コレが使い物にならなきゃ意味ねーし」
随分と開けっぴろげになったものだと、男としては嬉しいものの、このプライドの塊のような彼女がここまでするということは、酷く人肌を恋しがっているということだ。この屋敷から出られない四月一日の一番近くにいるのは百目鬼自身だと自負しているが、そのために傍にいてやれない間は寂しい思いをさせているとわかっている。
「四月一日」
「なんだよ」
「このままじっとしていたほうがいいか?それとも襲いかかったほうがいいか?」
「好きにしろよ」
肯定の言葉とも言えないぶっきらぼうな台詞を気くが早いか、百目鬼は四月一日の身体を引っ張り、指で彼女の秘部をなぞった。
「着けてないのか」
「いちいち言うな阿呆目鬼」
すでに濡れた箇所と、濡らされた箇所が重なって交わって溶けるのに、そう時間はかからない。

まるで男の訪れを待って、搾取する女郎蜘蛛のようだと思ったが、あの人を思い出すので深く考えるのはやめた。


2010年8月書き下ろし